沖縄生物学会(日高道雄会長)第50回大会が25日、西原町の琉球大学理学部で開かれた。研究者など約150人が参加した。一般講演に15組、ポスター講演に28組が参加し、日ごろの研究成果を発表した。生物研究の貢献者を顕彰する池原貞雄記念賞が中村剛さん=台湾中央研究院・生物多様性研究中心=に贈られた。
同会は研究者だけでなく、教員や同大卒業生、NPO団体など幅広い層から約550人の会員を有する。同日は総会も開かれた。
一般講演では県環境科学センターの長田智史さんが2004~12年度に毎年1回70カ所で実施してきた本島周辺海域サンゴ群集の調査結果を報告した。長田さんは「局所的に高被度(50%以上)地点が確認されるものの、低被度(10%以下)地点も依然多い。調査期間中、顕著な影響を及ぼすオニヒトデ大発生や白化現象は観察されず、サンゴ群集は全般に緩やかな回復傾向にあることが分かった」と分析した。
ポスター講演では座間味村立慶留間幼小中学校から小5の大村加奈子さん(10)と渡口怜君(11)、小4の渡口舞さん(9)がケラマジカ研究の結果を報告した。
ミニシンポジウム「奄美・琉球の世界自然遺産への登録に向けて」も行われた。
創立50周年記念公開講演会「生物学徒が見た沖縄の自然」が26日午後1時半から、那覇市の県立博物館・美術館講堂で開かれる。入場無料。沖縄美ら海財団の西平守孝参与が基調講演する。同学会初代学長の故池原貞雄氏が県内の自然を撮影した写真展も開かれる。