見直し前向き検討 日中漁業協定


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城内実外務政務官(右)に日中漁業協定の見直しを要請する高良倉吉副知事=29日、外務省

 【東京】県の高良倉吉副知事と県漁業協同組合連合会(国吉真孝会長)、池間漁業協同組合(長嶺巖組合長)は29日、農林水産省に江藤拓農水副大臣を訪ね、地元に説明がないまま1997年に締結し、2000年に発効された日中漁業協定の見直しを求めた。

高良副知事によると、江藤副大臣は「時間をかけてしっかりやっていきたい」と述べ、協定の見直しを前向きに検討する考えを示した。
 高良副知事らは日中漁業協定がサンゴの乱獲などを招き、底魚類の生育環境を荒廃させていると指摘。6月に開かれる日中漁業共同委員会で中国側に協定見直しの働き掛けを政府に求めた。
 日中漁業協定は、北緯27度以南を協定の適用除外としているが、当時の外務大臣所管で同水域では中国漁船に対して日本の漁業関係法令を適用しないとしている。
 要請は(1)外務大臣所管を破棄し、中国漁船の操業を規制(2)サンゴ網漁業の取り締まり体制の構築(3)日台漁業取り決めの適用水域の見直し―の3点。
 高良氏は「サンゴの乱獲は沖縄の周辺海域の資源の枯渇につながる深刻な問題だ。地元漁業者の権益を守るため、政治問題としてしっかりと交渉してほしい」と述べた。
 一方、同様の要請をした杉田和博官房副長官や城内実外務政務官は「地元の懸念は受け止めたい」と述べるにとどめ、見直しについては言及しなかった。

英文へ→Okinawan fisheries groups ask government to review Japan-China fisheries pact