「軍国教育」知る 平和祈念資料館「教科書」展


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「戦争と教科書」展の資料を読む児童ら=6日、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館

 【糸満】「2013年度第1回子ども・プロセス企画展」が3日から、糸満市摩文仁の県平和祈念資料館1階のひろば・ゆいまーるで始まっている。テーマを「戦争と教科書」と設定し、戦前から戦後の教科書を展示。これらの教科書を通して、大人や子どもを戦争に巻き込んだ軍国教育の実態を紹介している。入場無料。

午前9時~午後5時までの間、見学可能。7月7日まで。
 資料は、戦前の教科書や少年向け雑誌、写真パネル、新聞など109点。戦前、戦中の教科書の隣に、現在学校で実際に使用している社会科の教科書を設置して、記述の違いを際立たせた。日本の始まりについて、戦前の教科書では「神の国の興り」と題して紹介していたが、現代の教科書では縄文時代の生活を記載している。
 平和学習で訪れていた、うるま市立与那城小学校6年の田中麗奈さんは「昔の教科書は、絵や写真が少なく分かりにくいと思った。それと戦争の厳しさを知ることができた」と感想を述べた。
 国民学校で教育を受けたという、斎藤哲哉さん(80)=東京都=は「みんなが一方の方向に偏るというのは怖い。特に子どもたちは何も分からない。国の在り方や指導者について考えることは、とても大事なことだ」と企画展の資料を見ながら、しみじみと語った。