キビ24%増産 株出し効率改善67万トン


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サトウキビの年間生産量と10アール当りの収量

 県農林水産部が18日発表した2012~13年期サトウキビ生産実績によると、生産量は前期比24・8%増の67万5346トンだった。宮古・八重山地域で株出し効率が改善し、相次ぐ台風被害で大減産となった前期から大幅に回復した。

ただし、同部は「従前の80万トンには届いていない。今後もさらなる生産回復を図る」と説明した。
 収穫面積は5・8%増の1万2996ヘクタール、10アール当たりの収量は18・1%増の5197キロだった。宮古・八重山地域でサトウキビを食い荒らす土壌害虫・ハリガネムシ(サキシマカンシャクシコメツキ)に効果的とされる成分「フィプロニル」を使った薬剤が普及したことが、増加要因となった。宮古の収穫面積は13・2%増の4705ヘクタール、八重山は11・4%増の1832ヘクタールだった。
 甘しゃ糖の生産量は原料別で、分蜜糖が30・6%増の7万5642トン、含蜜糖は35・3%増の7627トン。甘しゃ糖度(基準糖度帯13・2~14・4度)の平均値は分蜜糖が前年より0・2度高い14・3度、含蜜糖も0・2度上回り、14・6度となった。
 今後は国の「さとうきび増産基金事業」の沖縄分である約15億円を活用し、種苗確保や病害虫防除対策などソフト事業をメーンに生産回復を推し進めていく。
 同部の山城毅部長は「特に宮古は平年並みに回復している。しかし本島は昨年の台風で塩害により葉も枯れ落ち、まだ回復してない。基金を使いきめ細かい生産対策をしていきたい」と意気込みを話した。