【交差点】カジノプロジェクト2


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 シンガポールでは好景気を背景に商業施設や不動産などさまざまな分野で多くの大型プロジェクトが動いていて、開発供給過剰の声もでており、日本のようなバブルが発生するのではと心配もされている。人口400万の小国シンガポールにとり、カジノ総合施設の成功は、こういう他のプロジェクトを活性化させる大きなインパクトがあり、シンガポールの今後の経済、観光の心臓部分になる大変大切な取り組みになる。
 カジノは大きな利益を上げることができ、さまざまな経済波及効果が期待できるため、さまざまな国や地域で誘致の動きがあるが、副産物ともいえる犯罪などイメージの悪さから、どの国でもそう簡単には導入はできない。カジノを既に導入している他のアジアの国でも、中心部から離れた場所や小規模にならざるを得ないのが現状で、今回のシンガポールのプロジェクトは1党独裁で強い指導力を持つシンガポールだからできたことだとも言え、大変重要なポイントである。
 弊社でもこのシンガポールの経済計画に少しでも参加し、ともに発展していくためにも、さまざまな商品の開発やサービスの向上に励んでいきたい。近年、外資導入や観光客誘致政策で空港拡張などインフラの規模拡大や優遇税制などは、どのアジア諸国でも行っているのが当たり前で、シンガポールの比較優位性は揺らいでいた。そういう意味でも、シンガポールのカジノ総合施設は、まさに「最後の切り札」といえよう。
 (遠山光一郎・シンガポール現地法人社長)