佐喜眞義肢、樹脂で耐久装具 新技術確立、全国展開へ


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樹脂製やアルミ製の膝関節用装具「CBブレース」を紹介する佐喜眞保社長(右)=1日、那覇市の沖縄総合事務局

 補装具製造販売の佐喜眞義肢(宜野湾市、佐喜眞保社長)は1日までに、従来のアルミ製よりも軽量で耐久性に優れた樹脂製の膝関節用装具を製造する技術を確立した。

同社の補装具はことし3月、利用者の購入費用を国が補助する対象製品として指定を受け、販売増が見込まれている。現在、樹脂製品も申請中で、同社はさらに補装具の全国への普及拡大を目指す。
 佐喜眞義肢は8年前に補装具を樹脂で製作する技術開発に着手。ことし3月までにカーボン入り樹脂を材料とし、金型による成形、製造に成功した。重量はアルミ製より50~70グラム軽い約130グラムで、製造費用も2割減を実現。全て樹脂でできているため、腐食問題が改善。支える力も高く耐久性が向上したという。
 現在、自社開発の膝関節用装具「CBブレース」は月200~300個を販売。今回の国の指定や樹脂製の実用化で2年後には4倍の売り上げを計画する。
 一方、「CBブレース」は補装具の購入や修理に必要な費用の9割を国が補助する厚生労働省の制度で、対象種目品として県内で初めて指定を受けた。今後、全国で関節用装具の販売を取り扱う会社が窓口となって指定品として紹介することになるため、販売増が見込まれる。
 同社は沖縄総合事務局の支援を受け海外への販路拡大も計画。現在ベトナムで病院との商談を進めるなど海外展開にも注力する考え。1日、同局で会見した佐喜眞社長は「時間はかかったがチャンスが広がっている。製品もさらに進化させていきたい」と話した。