「龍柱」設置に2.5億円 那覇市議、効果を疑問視


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 那覇市議会(永山盛廣議長)の6月定例会は6月26日閉会した。6月12日~17日には一般質問があり、市当局から若狭緑地に高さ15メートルの「龍柱」2本を設置する計画が示された。

26日の最終本会議では一部議員から「地域住民との話ができていない」「一括交付金の使い方としていかがなものか」などとする反対討論があった。
 新垣昌秀建設管理部長は「都市のシンボル性を高めること」などとする「龍柱」建立の意図を説明した。2011年に福州市と那覇市が友好都市締結30周年を迎えたことや大型客船の出入り口である若狭バースに近いことから、外国人観光客へのアピール効果も期待している。観光シンボルの例としてシンガポールのマーライオンや厳島神社の大鳥居などを例示した。
 今月中にデザイン設計などを終え、9月ごろに工事に着手し、13年度内の完成を目指している。
 龍柱本体は中国で作製し、現地の花こう岩(御影石)を使用する。形は首里城の龍柱をイメージしている。
 予算は一括交付金を充てる方針で、昨年12月定例会の議会で承認された1億2400万円と今回の6月定例会に提案し承認された補正予算1億3千万円の合計2億5400万円で整備する。
 反対討論に立った前泊美紀議員(無所属)は「これだけ巨額で巨大なものに一括交付金を使うことに疑問が残る。地域活性化につながるか不透明だ」と反対理由を述べた。
 平良識子議員(社社連合)も「市民議論が必要だ」と反対した。
 「龍柱」の予算を含む6月議会の補正予算案は賛成多数で可決された。