空手の心技 本場で学ぶ カターエフさん(ロシア、小中学校教諭)


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昇段試験に合格した(右から)デニス・カターエフさん、ボンビン・ボクダン君、コノバロフ・アレキサンダル君と師匠の瀬長義常範士十段=6月30日、豊見城市我那覇

 【豊見城】ロシアで上地流空手を広めたい―。ロシア・モスクワ在住の小中学校の教諭、デニス・カターエフさん(35)が約1カ月間、上地流空手道拳誠会会長の瀬長義常範士十段(76)の元で修行し、6月30日に行われた昇段試験に挑戦、見事2段に合格した。

9日に帰国予定で、同拳誠会ロシア支部を開設する。
 幼少のころ、空手に興味を持ったカターエフさんは5年前から本格的に空手を始めた。鍛錬を積む中、瀬長さんのDVDを見て、「これが伝統空手だ」と感じ、瀬長さんに手紙を送り、弟子入りを懇願。昨年沖縄を訪れ、数日間瀬長さんから指導を受けた。今回は6月10日に来沖し、師匠の元で稽古を積み、昇段試験に臨んだ。カターエフさんは「先生から惜しみなく空手の心と技を学び、全てが有意義だった」と語り、「伝統空手をロシアの子どもたちに広めていきたい」と抱負を語る。
 今回の試験にはロシアからカターエフさんに加え、小学生のコノバロフ・アレキサンダル君(8)が7級、ボンビン・ボクダン君(8)が8級に挑戦し、合格を果たした。
 師匠の瀬長さんは「米国のフロリダ、ミシガンに続き、3番目の支部が開設される。上地流の伝統空手を多くの人に広めてほしい」と期待した。