折り鶴、石巻へ 宮城氏顕彰碑再建費と共に


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1万羽の折り鶴を預けた上地里子さん(中央)=6月18日、大宜味村大保

 【大宜味】大宜味村江洲に住む上地里子さん(72)が、丹精込めて折った1万羽の折り鶴を、東日本大震災の被災地・宮城県石巻市に寄贈した。

折り鶴は、同村根路銘出身で「カキ養殖の父」と呼ばれた宮城新昌氏の顕彰碑再建の寄付金と共に、7月9日にも石巻市の顕彰碑再建委員会に手渡される予定。上地さんは「被災地のために私にできることはこれくらい。鶴を見て元気になってくれたらうれしい」と話した。
 鶴を折るのは上地さんの日課。「夕ご飯を食べて、テレビを見ながら。気付いたら鶴を折っている」と話す。家族からは肩凝りや腰の心配をされるというが、「大丈夫」と気にならない。
 2012年には7千羽の折り鶴を歌手の「ミネハハ」を通して気仙沼市に贈った。その後も毎晩折り続け、気付けば今度は1万羽に。送り先が決まるまでは大宜味村江洲にあるそば屋「江洲の花」に飾っていた。
 上地さんは6月18日、大保にある「おおぎみまるごとツーリズム協会」事務所を訪れ、顕彰碑再建委員会の事務局を務める宮城健隆会長に折り鶴を預けた。
 上地さんは「被災地のために何かできないかと思って作った。起工式などで飾ってもらえたらうれしい」と話した。受け取った宮城会長は「石巻の方たちも非常に喜ぶと思う」と感謝した。