アジアにクール便 ヤマトHD、年内にも


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沖縄国際貨物ハブを活用した事業を発表する木川眞ヤマトホールディングス社長(中央)、金森均ヤマトロジスティックス社長(右)、山内雅喜ヤマト運輸社長=3日、東京・大手町

 【東京】宅急便事業のヤマトホールディングス(木川真社長)は3日、都内で記者会見し、沖縄国際貨物ハブを活用して、クール宅急便をアジアに翌日配送する事業を年内に展開すると発表した。

現在、実験中の香港で本格稼働させ、台湾などで順次展開する。また部品などの在庫を沖縄に置き、必要に応じてアジア各国に翌日配送する緊急パーツセンター事業も展開する。
 木川社長は翌日宅配について「日本の農水産物を翌日にはアジアの食卓に乗せる。日本産のリンゴやカキなどをアジアに売り出す試みで成功しており、日本の農水産業の再生につながる」と話した。
 全国の農水産物を午前0時に羽田空港に接する同社の拠点から那覇空港に運び、通関などを経て香港に朝7時までに届ける。世界初の「一貫保冷、国際小口輸送」ネットワークが構築できるとする。
 パーツセンター事業については、国内工場で部品を作り、沖縄に置くことで工場流出を防ぎ、現地工場の政治や災害リスクを避けられると強調。将来は沖縄に製造業が展開できる素地になるとした。