瀬名波氏(琉大准教授)が受賞 ロッキーチャレンジ賞


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
ロッキーチャレンジ賞を受賞した瀬名波出准教授(中央)=琉球大学

 琉球大学工学部の瀬名波出准教授がこのほど、志やチャレンジ精神を持って活動する個人や団体に贈られる「ロッキーチャレンジ賞」を受賞した。

火力発電で排出される二酸化炭素を活用した環境保護や雇用創出につながるシステム構築への研究が評価された。琉球大で開かれた琉大21世紀フォーラムで授与式が行われ、賞金100万円と表彰盾が贈られた。
 同賞は日産ディーゼル工業元社長で那覇市出身の仲村巌氏が設立した。これまでに南部工業高校と豊見城市立長嶺中学校の生徒でつくる「チーム沖縄」や、国連ニューヨーク本部で緊急人道支援基金調整課長を務める新垣尚子さんらが受賞している。
 瀬名波准教授らは地球温暖化の一因とされる二酸化炭素の大気放出を止める研究を進めていた。海水中に二酸化炭素を注入する従来の方法から発想を変え、海水を霧状にして二酸化炭素中に噴霧したところ、従来の方法の6倍以上の溶解が確認できたという。
 二酸化炭素濃度が通常より高い海洋水で育てた海草類の発育が早くなることから、水産業への応用やバイオ燃料の抽出、産業化に伴う雇用創出に期待が持てるとしている。
 授与式後に行われた講演で、瀬名波准教授は「資源やエネルギーが循環する低炭素社会の形成を目指していきたい」と語った。