伊江島の村踊継承へ「地謡研修会」 若い世代に手ほどき


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組踊地謡研修会の開講式に当たり弾き初めをする指導者=6月27日、伊江村農村環境改善センター

 【伊江】国の重要無形民俗文化財に指定される「伊江島の村踊」の保存継承を図り、組踊の地謡を育成しようと、伊江村組踊地謡研修会の開講式が6月27日、伊江村農村環境改善センターで行われた。各区長をはじめ、同村民俗芸能保存会の役員や会員ら約40人が出席した。

 同保存会は今年で結成40周年を迎える。1980年から村内8区持ち回りで村民俗芸能発表会が開催され、昨年から5巡目に入った。各区で保存継承される組踊が12点あり、民謡や二才踊りを含めると60点以上に及ぶ。
 若い世代の三線愛好者が増える中、課題である組踊の地謡を育成しようと、同保存会や同村教育委員会主導で今回初めて地謡研修会を発足した。
 発足に関わった同研修会相談役の大城賢雄さんは(80)は「組踊の地謡は長期的な時間を要し経験も必要。皆さんの協力で新たな後継者を育成しよう」と意気込みを語った。
 研修会の塾長を務める宮里徳成教育長は「地謡が高齢化する中、長年の課題に一歩踏み出すことができた。地域で地謡を育て、さらなる保存継承に努めたい」とあいさつした。
 研修会では各区長から推薦された会員(三線教室に通う生徒など)が、月に2回程度、同センターで練習する。受講料は無料で、その年の発表担当区の組踊を主体として練習し、各発表会の地謡に協力する予定。(金城幸人通信員)