小麦高騰でパン値上げ きょうから5~10円


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 円安の進行や小麦の国際価格の上昇などで、輸入小麦の政府売り渡し価格が4月に平均9・7%引き上げられたことを受け、県内でも食料品の値上げの動きが出ている。県内製パン大手は、9日の納品分から食パンや菓子パンなどの価格を5~10円程度値上げする。

スーパーなどでもメーカーの値上げに準じた価格対応を余儀なくされそうだ。
 沖縄製粉(那覇市)は業務用小麦粉を6月20日出荷分から値上げした。25キログラム当たり、強力系小麦粉は145円(税抜き)、中力・薄力粉は215円(同)を値上げ。
 オキコ(西原町)は35品目を5~10円、第一パン(那覇市)は約20品目を5~10円値上げする。ぐしけん(うるま市)は値上げを検討中。第一パンの担当者は「消費者目線で考えると、上がった分をそのまま価格転嫁するのは難しい」と苦しい現状を吐露した。
 県内の20の製麺所でつくる沖縄生麺協同組合(那覇市)は、沖縄製粉から毎月、小麦粉1袋25キログラムを約1万1千袋共同購入する。同組合は「各事業者がすぐに値上げできる状況ではない。今は利益分だけを削っている状況で、業者の負担は大きい」と苦悩する。一方、いずれかの業者が値上げ分を価格に反映させると、全体的に値上がりする可能性もあると示唆した。(阪口彩子)