サバニ納品 海路を90キロ 糸満→本部・海洋博公園


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海を渡って、海洋文化館に納品される新造サバニを囲む「新造サバニ搬送プロジェクト」のメンバー=7日、糸満市の糸満海人工房・資料館

 【糸満】木造小舟「サバニ」に、有志らが乗り込み、糸満市から海を渡って本部町の海洋博公園海洋文化館を目指す「新造サバニ搬送プロジェクト実行委員会」(上原謙実行委員長)がこのほど、発足した。

海洋文化館がサバニの製造を糸満市の舟大工に依頼した。約90キロに及ぶ海路を渡り納品する。12日早朝に糸満漁港を出港し、13日夕に海洋博公園に上陸。同日の海洋博公園花火大会のプレイベントでお披露目される。「海人(うみんちゅ)のまち」糸満の漁師たちが古来使用してきた、サバニの技術力の高さや操船技術の継承をPRする。
 海洋文化館は昨年、ことし10月のリニューアルオープンに合わせ、糸満市の舟大工に2隻のサバニを発注。大城清さん(63)と弟子の高良和昭さん(40)が材木をはぎ合わせて作る「本ハギ」を製作、もう一人の舟大工・大城昇さん(62)が本ハギを簡略化させた「南洋ハギ」をそれぞれ昨年末に完成させた。
 今回、海を渡って納品される舟は全長約7メートル、4人乗りの本ハギ。サバニと一緒に、漕(こ)ぎ手の交代要員ら県内外のサバニ愛好家約30人が漁船で伴走する。
 弟子の高良さんと一緒に舟に乗り込む大城清さんは「サバニは昔、外洋でも活躍した舟だ。素晴らしい舟だということを証明したい」と意気込んだ。