「存在認めて」と訴え 性的少数者が授業、多様な生き方語る


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
高校生に多様な性や生き方を語った性的少数者たち=9日、うるま市田場の県立中部農林高校体育館

 【うるま】生き方や多様な性を考える特別授業「いろんな性と生」が9日、うるま市田場の県立中部農林高校(具志堅三男校長、生徒592人)で開かれた。同性愛者ら性的少数者の当事者やその家族、友人たち計22人と高校生が交流した。学校現場で性的少数者を多く招いて啓発や交流をする取り組みは県内で初めて。

16歳から81歳までの当事者が自身の同性愛経験などを基に、差別されることへの恐怖があったことを明かし「理解はできなくても存在を認めて」などと訴えた。
 授業は保健体育科教諭の町田藤乃さんの働き掛けで実現した。全校生徒が体育館で講演を聞き、各学級で講話・質疑応答をした。
 講演した20代男性は「心は男の子で、男性が好きです」と、恋愛の対象が男性である「ゲイ」だと告白。社会には同性愛について憎悪や誤解があるとし「異性を好きになることと同じで、根本に愛があるのは同じだ」と強調した。
 ゲイであると打ち明けた友人を紹介し「友だちにカミングアウト(=打ち明けること)されるのは信頼されている証し。もし、打ち明けられたら同性愛を理解できなくても、相手の存在を認めてあげて」と呼び掛けた。性的少数者の割合いについて「人口の5%、20人に1人の割合でいる。クラスには1人から2人いると言われている」と紹介。しかし「他の人と性の在り方が違うと悩んで自殺してしまう人も多い」と話した。
 大城勇一郎君(16)は「今まで性的少数者に出会ったことはなかったが、意外に多いと感じた。楽しく学べた」と授業を振り返った。
英文へ→Sexual minorities give lesson at Okinawan high school