アグーブランド豚肉、識別システム構築 DNAチップを活用


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
アグーブランド豚肉の識別システム開発を担当し、全国表彰された島袋宏俊氏=9日、県庁

 県畜産研究センター(守川信夫所長)はアグーブランド豚肉のDNA解析による識別システムを開発した。アグーと他品種との識別にとどまらず、アグー純血種やアグーと西洋豚の交配種などのブランド豚肉を識別できる。アグーブランドの強化やトレーサビリティー(生産履歴)への応用と産地保護、偽装防止への活用が計画されている。

 市販のDNAチップを活用した技術開発で、県内養豚業の振興が目的。県の産業振興重点研究推進事業の一つ「アグーブランド豚識別技術の確立」(2010~12年度事業)の中で研究してきた。
 同システムは現在、1頭の識別でおよそ2万6千円の費用が掛かっており、コスト高が運用面の課題。今後3年をめどに10分の1以下の2千円程度への圧縮を図る。コストを抑えることで、養豚関連団体などと連携し、他品種との識別徹底化を進める計画だ。
 研究を担当してきた同センター企画管理班研究主幹の島袋宏俊氏は、畜産技術の研究開発で顕著な業績を挙げた者を選ぶ優秀畜産技術者全国表彰(公益社団法人畜産技術協会主催)で技術者表彰を受けた。さらにアグーブランド豚肉の定義付けを明確にしたとして、10人の受賞者の中から上位2人に贈られる特別賞も受賞し、6月14日東京で表彰式があった。特別賞の受賞は県内で4年ぶり2人目。
 9日、アグーブランド豚肉の識別システムの確立や同賞などについて県農林水産部が発表した。島袋氏は「アグーブランド力の強化にしっかりつなげていきたい」と研究成果を喜んだ。