来年3月末で解散 トロピカルテクノセンター


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 県などが出資する第三セクター、トロピカルテクノセンター(TTC、うるま市、名幸穂積社長)は11日、会社運営は2014年3月31日までとすると発表した。その後解散する。

バイオやIT(情報技術)関連の研究開発などを目的に設立されたTTC。名幸社長は、県内にそれを担うベンチャー企業が増えたなどとして「一定の役割を終えた」と解散理由を説明した。
 2009年3月期から4期連続で純損失を計上し累積赤字は約2億3900万円となっていたが、経営改善に向けて12年度に施設を約2億3千万円で県に売却。ことし6月の株主総会までに借入金を清算したという。
 TTCは1990年、熱帯・亜熱帯地域資源の工業的高度利用分野や情報関連で研究開発を手掛け事業化につなげようと、県やうるま市などの自治体のほか沖縄電力やオリオンビールなどが出資し設立した。人材育成にも取り組んできたが、ここ数年は国や県などからの調査研究事業の受託が減少。一方で施設管理費の負担が大きくなっていた。
 総会では(1)設立時と異なり自らで研究開発する県内企業が増えた(2)施設を売却したことで先導的な研究開発や技術移転が困難な状況となり設立目的の役割を一定程度終えた―として解散を決めた。