糸満アセロラ増産 県外青果販売も拡大へ


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糸満産アセロラの増産計画をPRするJAおきなわ糸満支店の安谷屋行正支店長(左)=11日、糸満市

 【糸満】JAおきなわ糸満支店(安谷屋行正支店長)はことしから、糸満産アセロラの出荷増に向けた取り組みを強化させている。

中でも県外への青果販売を拡大させ、12年度比約4倍の5トンの出荷を目指す。加工品向けは19・0%増。11月下旬のシーズン終了までに青果と加工品を合わせて出荷目標は33・3%増の30トンで、売上額は2・4倍の3500万円を目標に掲げている。
 11日、記者発表した安谷屋支店長は「熱帯果樹のアセロラは、国内では奄美大島より北で栽培ができない。本土ではアセロラの青果はあまり販売していなく希少価値が高い」と、県外のアセロラ青果市場の可能性を強調した。
 糸満市では、00年に市観光農園がオープンしたことをきっかけにアセロラの生産が盛んになった。04年のピーク時は、観光農園で加工するワインの原料として年間40~50トンが出荷されていたという。
 ワインの販売量が落ちたことを受け、アセロラの生産量も下がり始めた。市内のアセロラ農業従事者数も今ではピーク時から約50人減った。
 今後は農家の収入向上を目指し、加工品向けより価格が高い青果での販売増加に力を入れる。糸満支店の専門指導員による営農指導や管理の徹底を図る。同時に農家支援策として、これまでの青果買い取り価格1キロ当たり500円を700円に引き上げる。県外42のファーマーズマーケットに職員が直接出向き、青果をPRする予定だ。
 安谷屋支店長は「数年後にはピーク時の年間40~50トンの出荷を目指したい」と意気込んだ。1パック(約80グラム)160円程度。県内ではファーマーズマーケットいとまん「うまんちゅ市場」で販売している。