大東 干ばつ続く 台風の“恵み”なく


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干ばつの被害で一部枯れたサトウキビ=11日、北大東村(上地順子通信員撮影)

 【南大東・北大東】南北大東村では、5月下旬からまとまった雨が降っておらず、基幹作物のサトウキビが干ばつの被害に見舞われている。

6月末から水分の蒸発を抑えるため葉を巻く「ロール現象」が発生。7月に入り、一部のサトウキビは枯れた。かん水施設がまだ整備されていない農地の被害は甚大だ。農家は「このまま雨が降らないと全滅する」と危機感を募らせる。台風7号による雨を期待したが、11日もほとんど降らなかった。南大東島地方気象台によると、12日以降も小雨傾向が続く見通し。
 同気象台によると、6月の降水量は平年値で約220ミリだが、ことしは南大東島で12・5ミリ、北大東島で13・0ミリしか降っていない。南大東島では、1991年6月に記録した最低降水量10ミリに次ぐ、歴代2番目の低雨量となった。担当者は「大東島地方で太平洋高気圧の張り出しが強い。このため、ずばぬけて雨が少ない」と話す。
 農家の上間正巳さん(52)=北大東村港=は「島全体のサトウキビのうち、半分が枯れかかっているのでないか。とてもひどい状況だ」と話した。北大東村では12日に雨乞いの儀式を行うという。