「洋楽=1」プリシラ・アーン『ここにいること』


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オーガニックでデジタル?な新しいフォーク
 Spotify(ストリーミングサービス)やPandora(インターネットラジオ)の欧米での普及は世代やジャンルを超越した新しい音楽とマーケットを生み出しています。

 ダフト・パンクはかつてのダンス・サウンドを今日のEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)と融合させ大成功を収めましたが、プリシラはこのアルバムで、彼女の夢見るようなオーガニックな歌声をデジタリーなサウンドに融合させ、新しいフォークの世界を作りました。ちなみに彼女がアルバム制作で参考にしたというNYのバンド、ツイン・シスターのサウンドも“ドリーミー・バット・ダンサブル”と言われて同一線上にあります。
 プロデューサのキーファス・シアンシアはライブ・レコーディングをサウンドのベースにすることで有名なTボーン・バーネットの片腕。ここではプリシラのリラックスしたデモ演奏をそのまま生かし、その上にエレクトリックな音を付け加えアンビエントな空間を作っています。
 (ユニバーサル・2300円)=北澤孝
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北澤孝のプロフィル
 きたざわ・たかし 1947年、東京生まれ。小学生のころからダイナ・ショアなど洋楽を好み、大学時代はニューオリンズ・ジャズ・クラブに所属し、トラッド・ジャズを研究。その後レコード会社、音楽出版会社に勤務。携わったアーティストは、ポール・モーリアからボン・ジョヴィ、ブリトニー・スピアーズ、MONKEY MAJIK、Superflyまで多岐にわたる。
(共同通信)

ここにいること
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プリシラ・アーン『ここにいること』
北澤 孝