「軍事」を「経済安保」に 「普天間返還」で議論


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徹底検証「普天間基地問題」シンポジウムに登壇した(右から)屋良朝博さん、前泊博盛さん、佐藤学さん=17日、宜野湾市の沖縄国際大学

 徹底検証「普天間基地問題」(沖縄法政研究所主催)が17日、宜野湾市の沖縄国際大学で開かれた。

いずれも元新聞記者で、沖国大経済学部教授の前泊博盛さんと沖縄法政研究所特別研究員・フリーライターの屋良朝博さんが登壇。前泊さんは「米軍がいない方が沖縄はもうかる」という経済的発想を持った“前向きな基地返還運動”を唱えた。屋良さんは「沖縄に基地を置かないと日米安保が成立しない」と擦り込まれた概念を一度消し去ることを提案した。約280人が熱心に話を聞いた。
 前泊さんは「生産性からみると、軍隊は金を生まない。例えば普天間をテーマパークのハブにし、嘉手納を軍民共用にして民間航空会社を引き込むことで、軍事安保を経済安保に転換できる」と語った。
 屋良さんは、ローテーションで常に移動する海兵隊がアジア太平洋地域で沖縄に駐留する必要性はないと指摘。「沖縄の基地問題は地理的優位性という古典的概念ではなく、どこに置くかという国内問題だ。国内で負担をどうするかという議論が先だ」などと強調した。
 沖国大法学部教授の佐藤学さんが司会を務めた。
 沖縄市から訪れた会社員の喜屋武佑香さん(27)は「今日出た前向きなアイデアや知恵からは明るい未来を描ける。このような知恵などを若い学生はたくさん学んでほしい」と話した。