QAB製作映画「標的の村」 三上監督「知れば心動く」


社会
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「標的の村」の製作背景や作品への思いを語る三上智恵さん=4日午後、那覇市天久の琉球新報社

 米軍のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設や垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ配備に反対する東村高江の住民らを追った琉球朝日放送(QAB)製作のドキュメンタリー映画「標的の村」が、7日から県内で公開される。

監督を務めたQABのキャスター・三上智恵さんが4日、那覇市天久の琉球新報社を訪れ、作品への思いを語った。
 映画はQABが昨年県内で放送し、数多くの賞に輝いたドキュメンタリー番組を拡充したもの。14都道府県で上映を予定している。県内では7日から那覇市の桜坂劇場(10月11日まで)と宮古島市のシネマパニック宮古島(9月27日まで)で、10月19、20日に沖縄市民小劇場あしびなーで上映する。
 8月から先行上映された東京と大阪では、連日入りきれないほどの観客が集まり、好評を博している。本土でほとんど報道されない高江の問題を目にした観客からは「ここまでメディアの機能が停止していたとは知らなかった」との感想も寄せられている。三上さんは「高江の子どもたちが泣く姿を映像で見て、それでも『安保をむさぼりたいから、高江の子どもが泣いていても平気』と言う人はいないと思う。具体的なことを知ったら、絶対に心は動く」と力を込めた。
 映画は住民の目線で描かれている。沖縄防衛局やヘリパッドの建設業者、反対運動を排除する警察官らの苦しい立場も描き、純粋な悪人は登場しない。三上さんは「高江の子どもたちを泣かせているのは誰か、映画を見てその正体を考えてほしい」と話した。
 桜坂劇場では7日の公開初日午前の上映終了後、三上さんをはじめ県内メディア、有識者によるミニシンポジウムを開く。問い合わせは同劇場(電話)098(860)9555。
英文へ→Ryukyu Asahi Broadcasting makes documentary film The Target Village