タイの出産事情は面白い。昨年、妊娠をし通院を始めたころ、病院側から、出産パッケージというのを紹介された。「自然分娩(ぶんべん)にしますか、帝王切開にしますか?」と、まだ妊娠初期の私に聞いてきたのである。日本では、自然分娩が当たり前の出産は、こちらタイでは、どうも違うようである。
病院側にきいたところ、帝王切開の出産は、80%。もちろん、自然分娩を希望しますと強く言った私は、少数派ということになる。タイの友人に聞いてみると、やはり帝王切開で出産した人が圧倒的。なぜなのか理由を聞いてみると、タイの女性は、出産ぎりぎりまで働くのが当たり前。出産前日まで仕事をし、「明日、産んできます」と計画的に出産の日程を決め、産休を取るようだ。
もう一つの理由が、中華系のタイ人は、旧暦の暦で、いい日を選びその日に出産を希望するため、手術をして出産するのである。おなかが大きくなるにつれ、タイ人の友人から「何日に産むの?」という質問が多かったのも納得する。
私はという
と、昨年11月、希望通り自然分娩で2990グラムの元気な女の子を出産した。新生児室に並んだ赤ちゃんを見て、自然分娩と書かれたベッドに寝ているわが子が堂々としているように思えた。
(上原洋子・タイ在住主婦)
【交差点】タイの出産事情
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琉球新報社
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