『クラフトワーク 縁結びの神さまをつくる』 川副秀樹著


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目指せ、一家総出で縁結び
 ま、ま、真面目……。真面目がすぎる……というのが本書を手に取った第一印象。タイトル通り、神さまを自分の手でつくってお守りにしよう、という本だ。恋愛成就の神さま「愛染明王」をはじめ、子授け・子育ての「鬼子母神」、さらにはどっかで聞いたことのある「トイレの神さま」まで、8つの神さまと、4つの切り絵が紹介されている。

 読み進めるうちに、どうしても拭えない疑問が浮上。この本、一体誰に向けてるんだろ? 「縁結び」とか「恋の神さま」って言葉が表紙にあるけど、まさか、まさか、結婚したいお年頃の女の子たちに向けてるの?
 「あーもう、結婚できる気がしない!」
 「じゃ、ためしに出雲大社とか行っちゃう?」
 「行く行く、行くとも!」
 とか言ってるOLちゃんたちに? で、あるならば……厳しいっす。だって出てくる神さま、正直かわいくないんだもん。未婚アラサーを代表して言わせてもらおう。縁結びの神さまたち、1ミリも、そそられません!!
 とはいえ、本書はどこまでも真面目だ。神さまを敬う気持ちがもっと高まってほしいという、著者の真剣な願いは、これでもかってくらいに溢れてる。溢れすぎて空回りしかねない勢いだ。
 なのでこの本、「お母さん」に売ったらいいんじゃないかな。40歳近いのに実家暮らしで、結婚する気配のない娘or息子を持つお母さん。そんなお母さんたちなら、子供のためならエンヤコラで、神さまでもなんでも、つくりそうじゃない? あ、でもそしたら縁結びの神さま、お母さんに微笑んじゃうのかな……? ま、それならそれで! 第二の人生、楽しいかもしんないし!
 (言視舎 933円+税)=アリー・マントワネット
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アリー・マントワネットのプロフィル
 アリー・マントワネット 出版社でOLをしつつ、ライターとしても細々と稼働中。ファッション、アイドル、恋愛観など、女性にまつわる話題に興味あり。尊敬する人物は清水ミチコ。趣味はダイエット、特技はリバウンド。
(共同通信)

縁結びの神さまをつくる
川副 秀樹
言視舎
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『クラフトワーク 縁結びの神さまをつくる』 川副秀樹著
アリー・マントワネット