芸術の秋に読みたい一冊
すっかり秋、ですね! 夏バテしちゃうから…とたくさん食べていたら太った2013年夏。食欲の秋の誘惑から逃れるためにも、芸術の秋方向で何か没頭できることを見つけなくては!と鼻息荒く書棚をにらんだ結果、本書と目が合う。
『150cmライフ。』などでおなじみ、イラストレーターたかぎなおこさんが多様な手づくりにチャレンジするイラストエッセー。黒板、苔玉、封筒に木製のコースター、マグネットから梅干し、メロンソーダづくりなどジャンルを超えたお手軽ハンドメードが紹介される。
でも実際のところ、黒板はいらないし、もう秋だからクリームソーダ気分でもないし、苔玉もあんまり興味ないし……と自分の興味と照らし合わせたら結局つくってみたい(というかつくれそう)のは封筒くらいか、という残念な結果に。絵心なし女の身としては、イラストレーターの腕が存分に生かされたものについてはお手上げ状態。
今すぐマネしたいと思うようなキャッチーなものは少ないけれど、自分の手づくり熱を高めるためのウオーミングアップには十分。何よりかわいいイラストと出来上がったすてきなグッズを目で追ってるだけでも、楽しい気持ちになる。
読みながらふと、2年前から作りかけの編み物の存在を思い出す。今年こそは完成させようと心に誓いながら思ったのは、自分に必要なのはウオーミングアップじゃなく、持続力だという真実。うーん、読む本を間違えたか。
(白泉社 1000円+税)=江藤かんな
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江藤かんなのプロフィル
えとう・かんな 1980年生まれ。書籍編集を経て、雑誌編集の道へ。女性の興味・関心ごとを探る日々。好きなものは、こけしとおかし、お寺と仏像、お笑い全般。得意ジャンルは、雑学、ブーム、ゴシップ系。くだらないこと(もの)、大歓迎!
(共同通信)
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