県、保育所基準を誤適用 1歳児クラス定員半減の園も


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 公立および認可保育園の0歳児と1歳児の受け入れ面積について、県が国の基準を誤った解釈で計算し、各園に指導していたことが17日、分かった。国の基準を厳格に適用すると、1歳児クラス定員を半数まで減らさなければならない園も出てくることになる。

県内では待機児童の解消が課題となっているが、基準の是正により一層の状況悪化が懸念され、全県的に影響が拡大するのは必至だ。
 那覇市は2日の市園長会で、2017年4月までに国の基準に合わせる方針を示し、各園に協力を求めた。園によっては部屋割りの見直しや増改築、定員の削減なども検討せざるを得ず、関係者に動揺が広がっている。
 厚生労働省が11年10月28日に通知した保育面積の基準は、はいはい(ほふく)をする前の乳幼児は1人当たり1・65平方メートル、ほふくしてから1歳までは3・3平方メートルとしている。だが県や那覇市は0歳児を3・3平方メートル、1歳児を1・65平方メートルと逆に解釈していた。
 那覇市の公立・認可保育園は4月1日現在、609人の0歳児と1350人の1歳児を受け入れている。
 解釈を誤った理由について、県青少年・児童家庭課は「そもそも国の基準に曖昧さがあったが、具体的には分からない」とした。
 那覇市は「少なくとも10年以上は誤った解釈の運用がなされてきた」と指摘した。さらに「待機児童が多く、行政側が少しでも受け入れを増やしたいとの思いが解釈に影響したかもしれない」と説明した。那覇市は13年4月から中核市になったことで「これまでは県の方針に従うだけだったが、そうもいかなくなった」と本年度から具体的に基準是正に向けた会議を重ねてきた。分園、第2園設置など定員増に向けた取り組みと平行することで、定員を減らさずに基準に合わせていく計画だ。(関戸塩)