ゲットウ液に殺菌・保湿成分 丸海きあら、琉大共同研究で商品化


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丸海きあらの山川美代子社長(右から2人目)と山川清安工場長(同3人目)、琉大の多和田真吉農学部教授(同4人目)=17日、県庁

 ゲットウの化粧品などを製造販売する丸海(まるみ)きあら(大宜味村、山川美代子社長)のゲットウ蒸留液が、これまで明らかになっていたニキビの原因となるアクネ菌への殺菌効果に加え、歯周病の原因となる菌にも殺菌力があることが琉球大学の多和田真吉農学部教授との共同研究で分かった。

蒸留残さの発酵液に天然保湿成分があることや、シミなどの原因となるメラニンの合成を阻害する効果も確認された。2年後をめどに医薬部外品の認証取得へ大宜味村内に工場の新設を計画。10月に台湾へ初の海外展開も予定している。
 山川社長と山川清安工場長、多和田教授が17日、県庁で会見した。発酵残さや抽出物を活用した「月桃ペーストパック」や「月桃ジェルシートマスク」の商品も公表した。歯周病菌にも効果があることから歯みがき粉も販売する。将来的には欧州への展開も視野に入れる。
 山川工場長は「肌の健康に寄与する天然保湿成分が豊富で、わが社の発酵で生成した。選択的に歯周病原因菌のジンジバリス菌とニキビのアクネ菌に強い殺菌効果が確認できた。美白効果のある成分として知られるこうじ酸と同等の効果を持つ物質が確認された」と有効性を強調した。25日からの沖縄の産業まつりにも出店する。丸海きあらは、一般には水を使って蒸留するのをゲットウの搾り汁で蒸留する特許製法でゲットウ抽出物を精製している。