県農林水産部は18日、県の6次産業化推進における基本方針(案)を明らかにした。冷凍、冷蔵状態で加工や保管ができる鮮度保持施設の整備などを検討し、従事者への支援を通した雇用の確保や所得の向上を図る。
12月には、現在おきぎん経済研究所内に設置されているサポートセンターの事業主体が国から県へ移行する。今後は庁内で連携する部署などの意見も取り入れ、本年度内をめどに行動計画を策定する。
方針案では、他県にはまねのできない沖縄独特の地域資源を活用した商品による新たな市場を「ブルーオーシャン市場」と名付け、県民や観光客に対し広くPRしていくとした。さらに1次、2次、3次産業の連携推進や地域のアイデアを取り込むため、商工労働部や文化観光スポーツ部、教育庁、各市町村との連携も深めていく。
案については同日、県庁で庁内や農業団体向けに説明した。農林水産部のほか、商工労働部、企画部、教育庁、JAおきなわなどから約80人が参加した。
現在、国の6次産業化法の認定事業者は県内に44件ある。これまでの支援は主に国が主導してきたが、今後は県も支援体制を拡充していく。事業者が求める支援をより詳細に把握するため、サポートセンターの事業主体も県に移る。運営は今後もおきぎん経済研究所に委託する予定だ。同センターの事業費は全額国庫で賄い、9月の補正予算に約540万円を計上した。担当者は「県の6次産業化をいかに伸ばしていくかを考えていく。これまでは国が先行していたが、今後は関係部局庁などと連携して県としても支援準備を進めていきたい」と話した。