【東京】八重山の和牛繁殖農家でつくる八重山郷里(きょうり)素牛生産者グループ(東竹西信行リーダー)が、八重山産子牛を銘柄化した「八重山郷里」の発足式を23日、東京都内で開いた。
他の生産地で育てられる前の子牛の銘柄化は全国でも極めて珍しい取り組み。同グループでは子牛の生育歴を記したカルテを独自に作り、安心安全な牛肉づくりに協力するとともに子牛の産地としての八重山をアピールする。
八重山地区は約2万3千頭の繁殖母牛が飼育されており、子牛の2012年の取引数は8299頭で、全国10位となっている。しかし輸送料が割高なこともあり、取引価格は全国価格を下回る。
生産者グループでは、子牛の品質向上と責任ある育成を目指し、「八重山郷里」のロゴマークを作り、成牛の牛肉に打ち出してもらうことで、品質とブランドをアピールする。
発足式には川満栄長竹富町長と外間守吉与那国町長や信戸一利農水省食肉流通係長らが出席。東竹西氏は「TPPによる影響、牛肉の生産・流通構造に大きな変化が起ころうとしている中で、小規模な八重山の農家が生き残るために、個性を尊重しながら『八重山郷里』を育て、組織的な活動と経営を行っていきたい」と意欲を示した。 (島洋子)