県水産海洋技術センター(山本隆司司所長)は25日、糸満市西崎から同市喜屋武に移転し開所式を開いた。県、市、漁業関係者ら約120人が参加。機器の更新や新規導入で研究体制を強化し、県水産業の振興につなげる。
センター内には本館研究棟のほか、サンゴやモズク、ヤイトハタなど研究対象の養殖をする屋内飼育棟と屋外施設、感染病などの研究をする魚病実験棟と隔離飼育棟も整備されている。病原体の有無を診断する装置や、フリーズドライなどの食品加工機器も新たに導入した。糸満漁港の奥にあった旧センターに比べ、海水の取水も容易になった。
同センターは4月に旧県水産海洋研究センターから改称し、8月に移転した。各棟を合わせた延べ床面積は3842平方メートル。総事業費は約17億円。
仲井真弘多知事のあいさつを代読した高良倉吉副知事は、糸満市が同センターに隣接して整備計画を進めている市水産業振興センターに触れ「今後企業とも連携することで、市や県の水産業振興の拠点となることを期待している」と述べた。