ノニジュースなど健康食品を製造・販売する仲善(南城市、上地哲社長)は、粉末化した複数の天然物を配合した高機能サプリメント(栄養補助食品)を開発している。
豊富な栄養成分を含むとされるノニを中心に、ウコンやパパイアなど配合天然物は9種類。共同開発する医師が高い健康効果を得られる配合比率を決定し、付加価値の向上を図る。医師が患者に勧められる商品を目指す。来年3月に発売予定。開発事業については、沖縄の産業まつりでもパネル展示する。
開発には、県産業振興公社の中小企業課題解決・地域連携プロジェクト推進事業を活用。仲善は1968年の創業以来、ウコンやノニ、ハーブなどの商品開発を手掛けており、医師との共同開発は今回が初めてとなる。
共同開発するハートフルクリニック(糸満市)の平良茂院長は、老化を遅らせるアンチエイジング医学の専門医。栄養摂取や生活習慣の改善を図るサプリメント外来を実施していて、化粧品や健康食品などの開発も手掛けている。
原料の半分以上を占めるノニは、「セロトニン」というホルモンの合成を促進する「スコポレチン」を多く含む。仲善の成分分析によれば、特に搾りかすのスコポレチン含有量はジュースの約9倍に上る。
セロトニンは精神安定や快眠効果に関与し、生活リズムの改善に役立つという。消化吸収を促進するパパイアや免疫力を増強するウコンなど効能は多い。きな粉とフィファチ(和名・ヒハツモドキ)はウコンに含まれるクルクミンの吸収を助けるなど、専門医ならではの配合となっている。平良院長は「専門医が直接監修したサプリメントは県内でも例がない。医師としての知識をフル活用し、医療にも使えるような商品にしたい」と話した。
商品は中に粉末を入れられるカプセルを想定。病院や通販での販売を考えている。上地社長は「処方される薬ではないが、医師が患者に勧められる商品という新しい市場を開拓したい。医師の監修により、安心して使ってもらえる」と力を込めた。
(長嶺真輝)