県内の企業や技術者が開発に磨きをかけた県産品や技術を一堂に集めた第37回沖縄の産業まつり。潜水しながら会話できる光通信機器を活用した事業の提案や、光がカーテンのように窓ガラスを覆う技術など、新たな発想が沖縄のものづくりの可能性を広げている。
県産食材を使った新飲料や加工食品も数多く登場し、かりゆしウエアの縫製や技能士の実演では県内の高い技術が披露された。人材育成や製造業の底上げへの期待が高まりそうだ。
水中通信技術を開発したマリンコムズ琉球(座間味村、新川直正社長)や琉球大、県内ダイビングショップなどは、新たなダイビングサービスの水中運動プログラムを共同開発している。2014年度にも商品化し、県内ホテルへ売り込み、医療ツーリズムの一環として取り組む。関係者によると、水中通信技術を使った運動プログラム開発は国内初という。
水中通信は発光ダイオード(LED)水中ライトの光波に音声を乗せて送信する。ダイビング指導員が同通信技術を活用し、音声で利用者に水中運動を指導する。利用者の身体状態を計測しながら指導できるため、ダイビング初心者も安心して参加できるという。
プログラムは約20分で、健康維持やストレス解消などの効果があるという。本年度中の商品づくりに向け、実証実験をしている。
26日には沖縄の産業まつりの一環として那覇市の奥武山水泳プールで披露された。新川社長は「水中運動は陸上の運動よりも関節にいい。新たな観光商品として開発したい」と話した。
共同開発者の荒川雅志琉球大教授は「健康増進を目的とした新たなダイビング市場が生まれる。リハビリでの活用にも取り組みたい」と述べた。