平田(フライ級)初の頂点 県高校新人体育大会


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フライ級決勝 1回、果敢な攻撃で相手を追い込む平田貢大(左)=6日、糸満市の沖縄水産高武道場(諸見里真利撮影)

 県高校新人体育大会は6日、沖縄水産高校武道場でボクシング各階級の決勝までを行い、ライトウエルター級の平仲信裕(南部農林)が2連覇を果たした。

バンタム級の上間北斗(那覇)はTKO勝ちで優勝を決め、フライ級の平田貢大(宜野座)は判定で初の頂点に立った。学校対抗では沖水が21点で1位だった。

◆一瞬の隙 強打さく裂/平田
 フライ級の平田貢大(宜野座)は、決勝の立ち上がりからお互い一歩も引かずに連打を浴びせ合った。パワーパンチを繰り出す相手に対し、平田はコンパクトに攻め込んだ。
 2回中盤、右フックが相手の顎に入った瞬間「相手の顔がゆがんだのが見えた」。間髪入れずにクリンチを振り切り、ふらつく相手をコーナーに追い込むと、ここぞとばかりに強打を連発。3回はスタミナ切れで足が止まってしまう場面もあったが、ポイント勝ちで初の頂点に立った。
 平田が「ここまで来られたのは、自分だけの力じゃない」と話す通り、栄冠の陰にはマネジャー・吉田海斗の存在がある。高校から2人でボクシングを始めたが、吉田は視力が低く試合に出られなかった。
 それでもスタミナ強化のため一緒に走り込み、試合となれば応援の声を張り上げ相棒を鼓舞し続けた。
 県内2大タイトルのうち、一つを制した平田。「スタミナなどの課題は山積みだが、ほっとした」と、胸をなで下ろした。吉田は「うれしいけど、ここは通過点。全国制覇するまで頑張らせます」と、夢の頂点まで、とことんつきあうつもりでいる。(仲本文子)