創業融資42%増 沖縄公庫上半期、若者の起業意欲回復


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄振興開発金融公庫(譜久山當則理事長)は7日、2013年度上半期(4~9月)の創業融資実績をまとめた。観光や建設分野の好況を背景に、件数が前年同期比42・1%増の172件、金額が57・7%増の19億3300万円といずれも大幅に増加した。

年齢別の融資件数は20~30代で6割を上回る増加率となった。公庫の担当者は「景気回復の裾野が広がる状況下で、若者を中心に起業意欲が回復している」と分析している。創業融資による雇用効果は198人と見込む。
 13年度下半期も増加ペースで推移する見込み。11年度は東日本大震災の影響で減少したが、13年度から起業マインドが回復し、相談件数も増えているという。
 年齢別の件数は、20代が66・7%増の15件、30代が63・2%増の62件、40~50代が29・5%増の79件、60代以上が23・1%増の16件だった。
 業種別では、介護施設などの医療・福祉業は38・1%増の29件。デイサービスなどが目立つ。建設業は約3倍の22件で、専門性のある型枠工事などで独立して起業する例があった。観光関連の需要増を背景にした卸売業や小売業、土産品の食品製造業の起業が出ている。情報通信業は2・8倍の11件でホームページ作成などネット関連の起業があった。
 男女別では男性が53・3%増の138件、女性は9・7%増の34件。女性は30代での創業が多く、専門性や経験を生かしたエステティック業や美容業の創業例が出ているという。
 公庫の担当者は「創業計画を綿密に立てている人も出てきている。そういう起業が増えれば廃業率も減ってくるのではないか」と説明した。
 沖縄公庫はさらに創業を促そうと、29日午後1時半から創業セミナーを那覇市の本店で開く。個別相談会もある。問い合わせは生衛・創業融資班(電話)098(941)1830。

創業融資の主な業種別融資物件数
沖縄公庫の創業融資年齢別件数