名護 3年ぶり頂点 全国高校ラグビー予選


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決勝・名護-コザ 後半18分、トライを決めた渡口大貴(中央)を囲んで喜ぶ名護の選手たち=7日、名護21世紀の森ラグビー場(金良孝矢撮影)

 ラグビーの第93回全国高校大会県予選(花園予選)最終日は7日、名護21世紀の森ラグビー場で決勝を行い、名護が27―5でコザに快勝し、3年ぶり15度目の優勝を飾った。

名護は10―5で迎えた後半、パスをつないで横に素早く展開する攻撃で陣地を進め、連続トライで突き放した。名護は12月27日~1月7日、大阪の近鉄花園ラグビー場で開かれる全国大会に出場する。

▽決勝
名護
27―5(10―5,17―0)
コザ

◆鮮やか展開 花園切符
 えんじのユニホームが、3年ぶりに花園に帰ってくる。名護が代名詞の「展開ラグビー」でコザの3連覇を阻み、王座を奪還した。
 県新人大会、県総体、名護市長杯と決勝でコザを倒していた。それでも、花園への切符を懸けた大会は特別。選手たちには試合前から緊張感がにじんでいた。前半に、左右へパスを素早くつないで2トライを挙げたが、細かなミスが出るなど硬さも目についた。
 流れをぐっと引き寄せたのは後半13分、FB永野将也のトライだ。展開を繰り返し、守備ともつれてこぼれた球を、SH小松崎歩がキックで前へ転がす。裏へ抜けて球を押さえた永野は「目が合って狙いが分かった。練習でやっていた通り」。15分には相手パスを奪ったWTB久高亮一郎が50メートルを独走、18分には左への展開からCTB渡口大貴が50メートルを独走と、バックス2人の鮮やかなトライで引き離した。
 現3年生が1年時に名護の連覇が11で止まっていた。就任3年目の辺土名斉朝監督は「選手たちは悔しい思いを背負って努力してきた。手応えというより信じる力が強かった」と言う。駅伝部の練習に参加したり、早朝練習で走り込みをしたりと、体格差を足で補うチームをつくり上げた。
 師走の花園へ向け、渡口は「展開と低いタックルという、自分たちのラグビーをしたい」と言い、主将の宮里純貴は「勝ってなるべく多く試合をしたい」。自分たちのスタイルを貫き、最高の正月を迎えるつもりだ。(大城周子)

◆FW勝負持ち込めず/コザ
 コザは、スクラム時に最前列に並ぶフロントローの平均体重が101キロ。キックを絡め、モールやラックで押し込むFW勝負に持ち込むつもりだったが、歯車がかみ合わなかった。
 早い出足で圧力をかけてくる相手守備に対し、後手に回ってしまった。「自分たちのミスで後退し、相手にアタックチャンスを与えてしまった」と當眞豊監督。前半24分にはPR當眞琢がラインアウトから抜け出してトライを決め、試合終盤にはキックと密集の繰り返しでゴール前まで力強く進む見せ場もあったが、得点は5点にとどまった。
 この日の先発メンバーのうち8人が1、2年生と若いチーム。2年の當眞は「この負けからステップアップして強くなっていきたい」と唇を結んだ。