県高校サッカー、那覇西が優勝 2年ぶり13度目


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 第92回全国高校サッカー選手権大会県大会最終日は9日、県総合運動公園陸上競技場で決勝を行い、那覇西が1―0で知念に勝利し2年ぶり13度目の優勝を飾った。那覇西は立ち上がりから主導権を握り、正確なパス回しでシュートチャンスをつくり出した。前半17分にペナルティーエリア内でパスを受けた比嘉映幸が左足で決めて先制点を奪った。

その後も那覇西は攻撃の手を緩めなかった。知念はディフェンス陣が粘りを見せ、GK高良大輔が何度も好セーブを見せて追加点を許さなかったが勝利はつかめなかった。那覇西は東京の国立競技場などで行われる全国大会(12月30日~1月13日)に県代表として派遣される。

▽決勝
那覇西
 1―0(1―0,0―0)
知念
▽得点者 【那】比嘉
 【評】那覇西が相手ディフェンスの隙を突いて決勝点を奪った。前半17分にMF新城がペナルティーエリアのスペースに切り込み、左サイドから上がってきたMF比嘉がパスを受けて得点した。その後は何度も好機を迎えながら、知念の堅守に阻まれた。シュート数は知念の3本に対し、那覇西が24本と大きく上回った。知念は堅守からカウンターで攻撃を仕掛けたが、縦のパスがつながらず好機を逃した。(平安太一)

◆那覇西・比嘉 隙突き値千金弾
 那覇西の比嘉映幸が放ったシュートがゴールの右隅に突き刺さった。前半17分。今大会で無失点を誇る知念ディフェンスの隙を突いて、チームを全国の舞台に導く決勝点を奪った。
 好機を演出したのは新城太貴だった。ディフェンス陣からパスを受けると、相手守備の陣形が整う前にドリブルで駆け上がった。ペナルティーエリア内のスペースに切り込むと、左から比嘉が駆け上がってくるのが見えた。「あいつなら絶対に決めてくれる」。仲間を信じてパスを出した。
 比嘉はボールを受ける前に顔を上げてゴールを確認した。ゴール右側のネットに狙いを定めると、左足を振り抜いた。「左足のシュートは得意だし、コースが見えていた」と口元を緩めた。
 先制点を奪った後も那覇西が主導権を握った。サイドを大きく使い、パスでつないでシュートを放つ。堅守の知念ディフェンスに阻まれたが、「焦らずにプレーした」と比嘉は言う。主将の徳元悠平は「チャンスはある」と仲間を鼓舞し続けた。終盤は知念のカウンターに苦しめられたが、ディフェンス陣が体を張って守りきった。
 新人大会、高校総体に続く優勝で、県内では負けなしで全国に挑む。一方で全国総体では初戦敗退も味わった。「総体の悔しさがあるからここまで来られた」と徳元主将は語る。全国大会の目標は「一戦一戦を大切に戦うこと」。頂点を見据え、目の前の相手に全力で立ち向かう考えだ。(平安太一)

那覇西―知念 前半17分、左サイドでパスを受けて得点を決める那覇西の比嘉映幸(手前)=9日、県総合運動公園陸上競技場(渡慶次哲三撮影)
優勝を決めた那覇西イレブンを祝福する応援団