全日本卓球一般県予選 儀保・粟國、男子複制す


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 卓球の全日本選手権大会県予選は9日、県総合運動公園体育館で開幕、初日は一般ダブルスの各試合を行った。男子は儀保幸・粟國朝治組(沖国大)が初優勝し、女子は狩俣道世・狩俣道乃組(沖国大・エレドック沖縄)が2連覇を果たした。混合は與古田篤・狩俣道世組(沖国大)が頂点に立った。

優勝ペアは来年1月14~19日に東京で開かれる本大会に派遣される。県予選は最終日の10日、シングルスを行う。

◆学生集大成の大舞台へ 支え合った儀保・粟國
 初優勝を決めた瞬間、歓喜の雄たけびを上げ、こぶしを強く握りしめた。感激の涙をタオルで拭った儀保幸は「ずっとこの大会の優勝を目標にやってきた」と喜び「チームプレーで勝てた」と強調、ペアの粟國朝治も「焦らずに自分たちのプレーができた」と振り返った。
 昨年は準優勝。周囲の期待が重圧になったという。決勝の友寄隆也(福岡大)・伊志嶺圭司(東海大)組はシード順からすれば格上で楽に勝たせてくれる相手ではなかった。
 粟國が得意とする回転をかけたレシーブは、打ちにくいコースにサーブを打たれ、完全に封じられてしまった。「無理せずに俺に任せろ」。苦しい場面で、儀保はそう声を掛けたという。的を絞らせないレシーブでいこうと話し合い、コースを散らして返球。相手が打ちあぐねたコースに、勝負どころで打ち込んでいった。
 第1ゲームは奪われたものの、その後は3ゲームを連取。粟國は「互いに補いながらできた」と勝因を挙げた。
 沖国大4年生の2人。学生生活の集大成となる全国大会に挑む。粟國は「自分たちのベストのプレーが常に出せれば勝てる」と意欲、儀保も「県代表としてしっかり成績を残したい」と力を込めた。(宮里努)

◆姉がリードし連覇
 女子ダブルスは、混合を制した狩俣道世(沖国大)が6歳年上の姉・狩俣道乃(エレドック沖縄)と組んで2連覇を果たした。
 決勝で対戦した盛岡愛美・山根由莉組は道世と同じ沖国大のペア。テンポの速いラリーになりかけたところで、道乃はあえて緩いボールでタイミングをずらし、自分たちのペースに引き寄せた。
 同じチームの3人は、互いの打つタイミングにも慣れているといい、「自分まで同じタイミングにならないよう緩急をつけた」と道乃。
 速いボールには「思わず手が出てしまう」という妹のブロックが得意なところを生かして、うまくリード、相手のミスを誘った。
 昨年の全国は初戦敗退だったが、ことしは「昨年の経験を生かしていきたい」と口をそろえ、雪辱を誓った。

◆速さで流れつかむ 強気に與古田・狩俣
 混合ダブルスで優勝した與古田篤と狩俣道世の沖国大1年生ペア。速いラリーで流れを引き寄せ、「相手にやりたいことをさせないようにした」と口をそろえた。
 決勝の相手ペアの1人は同じ大学の先輩。「手の内を知られているので、自分たちから積極的に攻めていった」(與古田)と強気で攻めた試合を振り返った。
 ペアを組んで1カ月で全国の切符をつかんだが、狩俣は「自分たちの力を出せたら全国でもいい試合ができる」と気負う様子はなかった。

男子ダブルス決勝 力強く打ち返す儀保幸(右)と粟國朝治=9日、県総合運動公園体育館(金良孝矢撮影)
女子ダブルス決勝 粘ってボールを拾う狩俣道世(左)と狩俣道乃
混合ダブルス決勝 積極的に攻める與古田篤(左)と狩俣道世のペア