県、沖縄近海の海洋資源を調査 商業化へ可能性探る


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 県は沖縄近海の海洋資源について開発、利用の可能性調査に乗り出す。沖縄近海では今年、沖縄本島から北西の沖合約100キロの海底下で、銅や鉛、金などの金属が堆積した「海底熱水鉱床」が発見されるなど豊富な資源量が注目を集めている。

県は海底資源開発に関連した事業の商業化なども見据え、海底資源の開発を支援する拠点形成の可能性なども調べる。
 調査は公募で事業者を選定、11月末ごろに委託契約し、来年度末まで実施する計画。沖縄近海の海洋資源の現状や海洋資源開発の支援拠点形成に向けた地域の役割などのほか、今後想定される海洋資源関連産業、関連産業の地域経済への波及効果、沖縄で海洋資源利用に向けた海洋都市構築の可能性などを調査する。
 調査事業は専門家や経済関係者、行政などでつくる委員会を設置し、調査方法や方向性などについて議論する。
 石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC、東京)は、沖縄近海で発見した海底熱水鉱床について、当初想定した資源量500万トンを上回る可能性があると発表している。
 海底資源開発で県内の地場産業振興のほか、環境アセスメント、海洋土木、船舶・観測機器、試料分析関連企業などの集積も想定される。
 県産業政策課は「海底資源の開発は国益となる重要な分野。県にとっても関連する産業の振興などが期待される。産業の振興可能性を検討するなど戦略的な取り組みを進める必要がある」と調査の目的を説明した。
(謝花史哲)