PCB施設に懸念 宮城島で説明会 住民側、納得せず


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 【宮城島=うるま】うるま市与那城の宮城島で、有毒なPCBを含む蓄電器や変圧器などを回収し中間処理をする施設を立地する計画が浮上している件で、島内3区は15日、事業を計画している宮城島イノベーションテクノロジー(MIT)の役員らを呼び、住民への説明を求めた。

会場となった宮城島の上原公民館には約60人が集まった。立地予定地の開発に同意を求める同社に対し、住民らは詳細な事業計画や地元への影響について次々と質問。住民側は納得する資料や具体的な答えがないとして、説明会を打ち切った。
 MIT社は事業について「あくまで電気機器類に付着している微量のPCBを処理し、その後、残渣(ざんさ)を本土で処理してもらう」と説明した。「微量のPCBで、皆さんの身近な生活にあるものだ」とし、地元から約30人を雇用することなど、安全性と地域経済への貢献を強調した。
 一方、住民からは施設でPCBを扱うことを懸念し「周辺地域、市の問題だ。宮城だけの説明会では足りない」「PCBは微量でも健康被害は出る」との声が上がった。
 質問が具体的な内容に及ぶと、同社は「きょうの目的は開発申請の同意を得るためのもの。(開発が)決まった暁には説明したい」と繰り返した。
 これに対し、住民らは「開発申請を急いでいるようにしか聞こえない」「資料の配布もないので話が進まない」と批判した。
 説明会終了後、池味(いけみ)自治会の登川俊充会長は「現段階では立地ありきではない。地域住民の合意形成が大前提だ」と話した。