曲 彩る歌唱力 安慶田あさ子


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金子みすゞ歌曲集「こだまでしょうか」などを歌う安慶田あさ子(右)=8日、那覇市のパレット市民劇場

 声楽家(ソプラノ)の安慶田あさ子のリサイタルが8日、那覇市のパレット市民劇場であった。

宮城正枝のピアノ演奏とともに、金子みすゞの詩による歌曲集「こだまでしょうか」(新垣壬敏作曲)を沖縄初演。味わい深い歌声で来場者を酔わせた。
 安慶田はシューベルトの「野ばら」やブラームスの「子守歌」などを歌い、イタリア・ミラノ留学や英国での演奏活動で培った歌唱力で曲を彩った。宮良長包の「えんどうの花」(中村透編曲)や、八重山に伝わる「月ぬ美しゃ」(城間繁編曲)も歌った。
 「こだまでしょうか」は「わたしと小鳥とすずと」「星とたんぽぽ」など10編の詩を、軽快なテンポで歌い継ぐ。みすゞの詩世界を奥行きのある歌声で表現した。ほかにプッチーニの歌劇などからオペラアリアも披露し、来場者の拍手に包まれた。