首里士族の生活伝え 集落消滅も井戸残る


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首里の士族が生活していた様子などを説明するスクガーを守る会の城間光雄代表=17日、南城市知念

 【南城】戦後消滅した南城市知念の底川集落があったとされる跡地に井戸や牛舎、豚舎などが良好な状態で残っていることが17日までに分かった。

スクガーを守る会の城間光雄代表が同市商工会などとともに草刈りなど整備を進め、24日まで開催中の「第6回半島芸術祭in南城」で無料見学が行われている。
 底川は約400年前に都落ちした首里の士族が移り住み、開墾を進めたとされている。城間代表はこの場所について「士族の帰農によって生まれたヤードゥイ(屋取)だ」と説明する。戦後しばらく生活していたが、那覇などに移住した。
 見学できる集落の跡地は陸上自衛隊知念分屯地の近くにある。草むらをかき分け進むと、石垣やヒンプンが残り、当時の状況を思い起こすことができる。
 城間代表は「地元の人でもこんな場所があったことを知っている人は少ないかもしれない」と話し、「子どもたちに歴史を知ってもらう場所になってもらえれば」と期待した。
 12月からは土日を中心にガイドを行い、有料で案内を受けることが可能。問い合わせは城間代表(電話)090(4471)1190。