待機児童解消で基金 30億円、市町村支援へ


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待機児童解消支援基金の仕組み

 県議会11月定例会の補正予算案に、県が積み立て経費30億円を盛り込んだ「待機児童解消支援基金」で、県は、待機児童解消に向けた市町村の事業を財政面から支援する。

解消に向けた計画を策定し、保育所の定員増を実現した市町村に対し、増加人数に応じた交付金を支出する。県は公立保育所の改築、幼稚園での午後の預かり保育などを想定しているが、従来の補助メニューにはない市町村独自の事業も交付対象とする。
 県は2018年4月1日に、県内全市町村で待機児童ゼロを目指す。県青少年・児童家庭課は「全ての子どもたちが保育サービスを受けられるように環境を整え、目標をさらに前倒ししてゼロを実現させたい」と意欲を見せている。
 県は予算案が可決されれば、本年度中に一般財源から30億円を基金として積み立て、次年度以降に交付を始める。公立・認可園への入所を諦めた子どもを含む県内の潜在的待機児童は、昨年4月1日現在で約9千人。県は同時点の全市町村の公立・認可園の定員数を基点に、増加人数に応じて交付金を拠出する。事業に携わる市町村の臨時職員らの人件費も支出する。
 また、県は待機児童解消を図るために、保育士の就労支援や認可外保育施設の認可化を後押しする「県保育士・保育所総合支援センター」を25日、那覇市の産業支援センター内に開設する。民間の共同企業体に業務を委託する。センターは、保育士資格の取得希望者に修学資金を貸し付けるほか、保育士の就労先をあっせんする。