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沖尚、県勢初の優勝 日本文理に9-8 明治神宮野球

 第44回明治神宮野球大会最終日は20日、神宮球場で大学、高校の各決勝が行われ、高校の部は沖縄尚学(九州地区)が日本文理(新潟・北信越地区)に9―8で逆転勝ちし、沖縄県勢初優勝を飾った。

沖尚の優勝により、九州地区は来春の選抜大会の「神宮大会枠」を9年ぶりに獲得した。大学の部は亜大(東都)が明大(東京六大学)に2―1で競り勝ち、7年ぶり4度目の優勝を果たした。沖尚は日本文理に1試合チーム最多記録の5本塁打を浴びるなどして8点のリードを許したが、七回に3点を返すと、八回には打者一巡の猛攻で6点を挙げて試合をひっくり返した。亜大は嶺井博希(沖尚高出)のソロ本塁打と適時打で2点を挙げ、継投で逃げ切った。

◆冷静「最後開き直る」/県勢初の歴史刻む
 沖尚が終盤の2イニングで、8点差をひっくり返した。見ている誰もが身震いするような、気迫の大逆転劇だった。
 七回に3点を返し、迎えた八回。先頭の久保柊人と西平大樹の連打で1点を奪う。続く安里健の初球はファウルゾーンへの飛球だったが、相手守備が落球。「流れが来ている。この流れに乗ってやろう」。フルスイングした2球目は左中間席に飛び込む2ランでその差は2点に迫る。
 さらに2安打などで1点を加えた。最後は2死満塁から久保柊人がフルカウントから右前にはじき返し、緊張と高揚を繰り返した逆転劇を完結させた。
 中盤までは完全な相手ペース。投手陣が5本塁打を浴び、焦りから打線も沈黙した。比嘉公也監督がナインを鼓舞しようと引き合いに出したのは2009年夏の甲子園決勝戦だ。準優勝だった日本文理は6点を追う九回2死走者なしから5点を奪う驚異的な粘りを見せた。「あれを俺らもやろうや」。安里は「冷静になれた」と振り返り、西平は「最後は開き直ってやるしかないと思った」と言う。
 高校野球は何が起こるか分からない―。ベンチで何度も確認し合った言葉を胸に最後まで諦めず、県勢初優勝という歴史を刻んだ。「大会前から気持ちでは負けないでやろうと言っていた」と主将の赤嶺謙は胸を張る。青く澄み切った神宮の秋空。誇らしげな沖尚ナインの歓声が高く、高く響いた。(大城周子)

◆久保 誕生日に殊勲打
 「勝ちたい気持ちでいっぱいだった」。八回に右前打で猛攻の口火を切り、2死満塁で再び回ってきた打席ではフルカウントから逆転打を放った久保は振り返る。この日は誕生日。「最高の一日にしたいと思っていた。こんなチャンスは一生ないと思う」と照れくさそうに笑った。
 公式戦初登板だった1回戦に続いて準々決勝でも好救援を見せ一躍注目を浴びたが、この日は五回からマウンドに上がって2回5失点とチームの劣勢を招いた。「流れを変えるために登板したのに逆に点を取られて『やってしまった』と思った」。だからこそ、最後のチャンスで重圧に負けるわけにいかなかった。八回の2打席で打った球種は覚えていない。逆転の一打も「みんながつないでくれた。無駄にしたくない」と執念のみだった。
 初戦敗退した昨年の神宮は三塁手として出場した。「あの敗北の悔しさがあったから、今日の優勝という結果が得られたと思う」と言い、こう続けた。「先輩たちと比べて個の力はない。でも今のチームは、集結したときに粘りが出てつながりが生まれる」
 来春の甲子園への意気込みを聞かれて「上ばかり見ると足下をすくわれる。まずは1勝。流れに乗って優勝という結果を残せたらベスト」と返した。神宮で酸いも甘いも経験した男に緩みはなかった。(大城周子)
英文へ→Okinawa Shogaku wins Meiji Jingu baseball title


大逆転で県勢初優勝を果たし、歓喜の沖尚ナイン=20日、神宮(大城周子撮影)

日本文理―沖尚 8回沖尚2死満塁、久保柊人の右前2点適時打で逆転の生還を果たす砂川修=20日、神宮(金良孝矢撮影)

日本文理―沖尚 8回沖尚2死満塁、逆転の決勝打を放つ久保柊人


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