【石垣】県は21日、波力発電が可能かどうかを調べるため、石垣島近海の2カ所で波浪観測調査を開始した。発電を前提とした波浪観測調査は県内で初めて。宮古島でも調査する予定。
観測結果が良好な1カ所を選定し、国が整備する「海洋再生可能エネルギーに係る実証フィールド」の候補として申請する。
石垣島近海の観測点は伊野田漁港沖と浦底湾。超音波で波の高さを計測する波高計を水深30メートルの海底に設置し、約3カ月間、波の高さや向きなどを調べる。
波力発電は波の高低差を利用して発電する技術。離島の沿岸海域は波が高く、波力発電の可能性が高いことから、県は観測地点を石垣島などに絞り込んでいた。
実証フィールドの選定要件は、波高が平均1・5メートルを超える月が年間3カ月以上あり、水深200メートル以内の海域。
送電ケーブルの陸揚げが可能なことや、陸域に変電所が設置できることなども条件となっている。
実証フィールドに選定されれば、技術開発の拠点となり、研究機関の集積などが見込まれる。
石垣市は海洋再生可能エネルギーの調査研究などを盛り込んだ海洋基本計画を策定しており、県の波浪観測調査を支援している。