59年の歴史に幕 県傷痍軍人会が解散式典


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 沖縄戦で負傷した元軍人、軍属、準軍属でつくる県傷痍軍人会(沖傷、宮城繁会長)は22日、解散式典を那覇市の神宮開館で催した=写真。沖傷会員や会員の妻らでつくる妻の会(玉城美恵子会長)メンバーら約150人が出席。式の最後に今月いっぱいで解散する旨を宣言し、59年の歴史に幕を下ろした。

 会員の高齢化や公益法人の制度改革に伴い日本傷痍軍人会が今月末で解散することを受け、沖傷も解散を決めた。会員の平均年齢は87歳前後。1954年に創立し、最大4500人いた会員も今では400人を割った。ことしに入って各市町村にあった支部も軒並み解散していた。
 宮城会長は「戦後、身体に障がいを抱えながら、子どもたちを養育することは大変なことだった。光明を見いだしたのは援護法が制定されたからだった。会員各位に心から感謝を申し上げる」と長い歴史を振り返り、会員らに謝辞を述べた。
 来賓として出席した仲井真弘多知事は「あの悲惨な戦争から学んだ教訓を風化させることなく、平和発信に取り組んでいきたい」と決意を述べた。