文化のつながり確認 指宿で沖縄・鹿児島交流祭


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沖縄・鹿児島文化交流祭の芸能交流を盛り上げた奄美高校郷土芸能部の民謡演奏=23日、鹿児島県の指宿市民会館

 【鹿児島県指宿市で与那嶺松一郎】沖縄・鹿児島文化交流祭(同実行委員会主催、琉球新報社など共催)が23日、鹿児島県指宿(いぶすき)市で開かれた。沖縄、奄美、鹿児島の関係者が参加した芸能交流や学術シンポジウムが市内各所で催され、互いの歴史・文化的なつながりの深さを確認し、一層の交流促進を誓った。

 文化交流祭は薩摩侵攻400年を迎えた2009年に始まり、今回で5回目(鹿児島での開催は11年以来3回目)。指宿市民会館で行われた芸能交流には沖縄県から各流派の芸能家21人が参加し、玉城流翔節会家元の玉城節子さんによる「本貫花」などの琉球舞踊を披露した。
 鹿児島県側からは「川尻の琉球人踊り」や「利永琉球傘踊り」といった、琉球との交流を反映した郷土芸能が披露された。また、ことしで日本復帰60年の節目を迎えた奄美群島から奄美高校郷土芸能部「太陽(てぃだ)の子(くわぁ)」が参加し、八月踊り伝統の「六調」の演奏になると観客も立ち上がって踊るなど一体感に包まれた。
 琉球王国と薩摩藩を結んだ港町・山川では、シンポジウム「琉球弧の歴史的意義を考える」が山川文化ホールで開かれ、南薩摩地域史研究家の松下尚明さんが「山川には石敢当があり、琉球弧の信仰形態が流入している。実にさまざまなものが琉球から鹿児島にもたらされた」と語った。
 また「琉球国之図」「伊能忠敬全日本地図」のフロア展、1700年代の山川港復元模型展示もあり、多くの来場者でにぎわった。