空手団体組手、中頭V奪還 県民体育大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 第65回県民体育大会は23日、県内各地で行われ、空手道男子団体組手は中頭郡が制し、同個人形は上村拓也(那覇市)が2連覇、女子形は照屋真子(那覇市)が3連覇した。柔道は糸満が3連覇を飾り、相撲団体は、うるま市が3年ぶりに頂点に立った。

陸上は男子400メートルの森竹勇介(名護市)が47秒99の大会新記録で制し、同円盤投げとハンマー投げは知念豪(沖縄市)が2冠を達成。女子年齢別400メートルリレーは予選で中頭郡が53秒36の県新記録をマークし、同40代100メートル予選では儀間由紀美(中頭郡)が13秒37の大会新記録を樹立した。

◆空手団体 2冠国吉、攻め狙い通り
 4連覇を懸けた昨年の大会で沖縄市に敗れた中頭郡。男子団体組手の決勝は、前回と同じ顔合わせになり、中頭郡が1ポイントも与えずに圧倒、栄冠を奪い返した。
 先鋒(せんぽう)戦でまず白星を挙げ、中堅で出たのは個人戦を制した国吉真太郎。東京国体で重量級4位に入った実力者だ。個人戦決勝は先行しながらもポイントで逆転を許した。相手の反則で勝ったが、その内容には「情けない」と悔しがった。
 「会場を沸かせるような試合をしたい」。そう話して臨んだ団体戦。個人戦では「浮いていた」という突きを低めに狙って打った。中段への突きが決まり、相手の上段が空いたのを見ると、その隙を狙ってさらに拳を繰り出した。
 得意とする突きで5―0と、全てのポイント挙げ「思い通りの動きができた。完璧だった」と納得の表情を見せた国吉。大将戦を残して団体優勝を決め、自らは2冠となった。
 先鋒(せんぽう)で8―0と完勝した金城武志は「チームに勢いを与えることができた」と笑顔。準決勝で中堅を務めた神谷嘉修は「気持ちで負けなかった」と話し、それぞれが役目を果たしてつかんだ優勝を喜んだ。
(宮里努)

◆うるま、相撲団体完全優勝 和宇慶兄弟が勢い “本場”の本領
 相撲団体は、うるま市が星を一つも落とさない完全優勝で、相撲どころの本領を発揮した。普天間隆監督は「9戦27点は過去最多のポイント。日頃練習している成果だ」と3年ぶりの覇権奪還を喜んだ。
 個人との2冠も達成した先鋒(せんぽう)の和宇慶一騎(九州情報大)がチームに勢いをもたらした。今月初めの全国学生選手権で8強入りした実力者は「プレッシャーはなかった。勝って後ろに流れを作る相撲を取ろうと思った」と豪快な投げ技を連発。「昨年は団体で負けて悔しかったので、優勝できてよかった」と笑顔で振り返った。
 リーグ戦で戦う団体戦、ヤマ場は昨年覇者の名護と、一昨年にうるま市の連覇を阻んで優勝した浦添戦。一騎の兄で中堅の勝斗(市臨時職)は「一騎が取ったので、僕で試合を決めようと思っていた」と相手に引きつけられてからも粘りを見せ、勝利をもぎ取った。大将の島袋将太(会社員)は「慌てることなく普通にやれば勝てると思っていた。前の2人が勝ってくれて気持ちはすごく楽だった」と力強い押し相撲で勝ち星を伸ばした。
 3人とも中部農林高OBで気心の知れた仲で、今回控えに回ったメンバーも力がある。和宇慶勝は「次はもちろん連覇を目指したい」と胸を張って宣言した。(大城周子)

男子団体組手決勝 中頭郡―沖縄市 上段に突きを打ち込む中頭の国吉真太郎(右)=23日、県立武道館(桑原晶子撮影)
相撲団体リーグ うるま市―浦添市 下手投げを決める、うるま市の中堅・和宇慶勝斗(奥)=23日、浦添市相撲場(大城周子撮影)