「自分のやりたいこと意識して」 共同通信社儀間さん、後輩にアドバイス


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 【与那原】県立知念高校(神谷孝校長)は15日、第一線で活躍する先輩を招いて後輩たちの高校生活の充実と進路選択に生かしてもらおうと同体育館で創立記念講演会を開催した。講師は南城市知念出身の34期生で共同通信社外信部担当部長の儀間朝浩さん(53)。儀間さんは海外での取材体験などを紹介した上で「自分がやりたいことをしっかり決めて意識することが大切」とアドバイスした。

 儀間さんは琉大を卒業後、共同通信社に入社。各地方回りの記者生活をした後、2003年3月に米英軍のイラク進攻による戦争取材で派遣され戦争のすさまじさをじかに見てきた。南米ペルーでは3カ月滞在し日本人人質事件を取材。ニューヨークの国連本部などの取材を経て32歳で東京本社に戻った。
 好きな野球を高校で続け一生の友を得たことを紹介したほか、イラク戦争の様子を説明。さく裂する砲弾や兵士が連行される場面では、生徒から驚きの声が上がった。
 講演後、生徒から「戦場取材に出掛ける時、遺言状を書いたそうですが何と書いたのですか」との質問があり、儀間さんは「生きて帰れないかもしれないので子どもをよろしく」としたためたと、その時の心境を語った。
 儀間さんは「沖縄の言葉に『なんくるないさ』というのがある。良い言葉だが何もやらないと何一つ出てこない。自分がやりたいことをしっかり意識し取り組むことが大事」と体験を通して感じたことを強調した。
 生徒会長の城間哲州君は「僕も在学中に一生の友達をつくって世のためになるよう目指します」と抱負を述べた。
(知花幸栄通信員)

儀間さんに質問する2年の男子生徒=知念高校体育館
儀間朝浩さん