参審、陪審制で討議 日韓弁護士が刑事司法シンポ


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刑事司法への国民参加について話し合う日韓―韓日弁護士協議会の会員ら=24日午後、恩納村山田のルネッサンスリゾートオキナワ

 日本と韓国の弁護士でつくる「日韓―韓日弁護士協議会」の第35回総会とシンポジウムが24日、恩納村山田のルネッサンスリゾートオキナワで開かれ、弁護士が刑事司法への国民参加の現状について話し合った。沖縄での開催は初めて。

 韓国では陪審制の国民参加裁判が2008年から実施されている。登壇した韓国の任雄燦(インウンチャン)弁護士は、米国の事例も踏まえて「世論にいたずらに左右されないということが、陪審制度の成否を決める重要な点となる」と指摘した。
 日本からは愛知県弁護士会の水野紀孝弁護士が裁判員裁判の現状を報告。「反省態度や示談の有無など、これまで刑を軽くしていた情状が採用されない事例が増えている」と指摘した。
 韓国の陪審制では、陪審員の評決には判決への拘束力はないが、裁判所は評決を尊重する。姜幸玉(カンヘンオク)弁護士は証拠調べがしっかり行われるようになった点など、制度導入の効果を指摘した。一方、「評決の拘束力を認めなければ、結局はエリートによる裁判という批判を避けるためだけの制度になってしまう」と話した。