再生医療で共同研究 ロート製薬と琉大


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 ロート製薬(大阪市)が琉球大学医学部と再生医療の共同研究に取り組むことが27日、分かった。同社は今年5月に「再生医療研究企画部」を新設し、再生医療分野に本格的に参入。病気で損傷した組織を修復する体性幹細胞の医薬品化を目指しており、沖縄も研究開発の拠点に位置付ける。

 ロート製薬は、県内医療機関など関係先との事業連携や企画など沖縄側での窓口機能として運営する目的で、業務提携していた琉球ステムセル(那覇市)を子会社化した。社長はロート製薬の再生医療研究企画部副部長が兼任。将来的に再生医療技術の研究開発など事業を拡大するか検討するという。
 ロート製薬は現在、体性幹細胞のうち脂肪由来幹細胞に関する培養技術の確立に力を入れ、早期の医薬品開発を目指している。
 一方、琉大医学部は幹細胞の専門家の増員や研究者、培養技術者の育成に向け準備を進め、県も同部を中心に再生医療の技術開発や細胞製造関連企業の集積を図る「先端医療産業開発拠点」の形成に着手している。
 製薬大手の拠点化に県内関係者らの期待は大きい。県の担当者は「研究成果を基に、県内で細胞や医薬品を製造する工場の立地につながることを期待したい」としている。(謝花史哲)